投稿日:2009/02/10
  
「本を買う」ということ

昨夜、コンビニへいった。

なぜか本のコーナーには人だかり。

週刊誌の発売日が重なっているのだろうか?

どうしても欲しい本があったのだが、人の山に阻まれてみえない。

一人の高校生が気付き、場所をあけてくれた。

しかし、肝心なモノは、もう一人の若者の足元にある。

 

「スミマセン、ちょっといいですか?」

 

声をかけるが、無反応。3度ほど「スミマセン」を繰り返すも、振り向きもしない。

どうやら、耳にはイヤフォンがつまっているらしい。

よほどの大音量なのか、世間をシャットアウトする偽造なのか。

とにもかくにも、邪魔である。

仕方ないから、軽くつつきながら声をかける。

 

すると、その若者、一瞥をくれただけ。

多少はズレたものの、「どいてくれる」まではいかない。

とりあえず、必要なものを取るにはとれたのだが。

 

 

いまの世の中、こんな人間が多すぎる。

いったいこの国は、どこへいってしまうのだろう。

ふと、そんな恐怖とさみしさを覚えた。

 

 

しかし、あれだ。「立ち読み」とは、なんだ?

本当にほしいものかどうかを確かめるためにチラッと目を通したり、時間をつぶしたり、必要な情報だけを入手するための「立ち読み」であれば、成立するだろう。

それもまた、サービスの一環である。

しかし、そのサービスをいいことに、まるごと一冊立ち読みして終了とは、いったいどんな了見なんだ?

 

本というものは、無償ではない。

作者のイマジネーションや膨大な資料集めから分析、自分なりの世界の構築といった想像以上の労苦を経て、うまれた作品。

それだけでは、終わらない。手を入れ、形とし、売りだし、手元まで届ける。

そこまでに、いったいどれだけの人の力と情熱と願いが関与していることだろう。

 

 

それをキミは、ただで読もうというのか?

 

それは、作品や携わった人々へ対する冒涜であり、犯罪行為ともいえるのではないだろうか?

 

 

もちろん、実刑だとか罰則が科される犯罪ではない。「精神的に」という意味だ。

本を買うということは、作品や携わった人々に対価を支払うということ。

そしてはじめて、「読ませてもらえる」んだ。

「お金を払ってまで読みたくない」という人間に、その作品を手にする資格はない。

それでは、税金ドロボーを批判できないだろ?

 

お金を払いたくないのなら、図書館へいけばいい。

いまどきの図書館は、かなり充実している。

そこでならお金もかからないし、誰に不快感を与えることもない。

ネットカフェだって、ある。

コーヒー飲みながら、まったり鑑賞できるだろう。

 

対価も払えない、ということは、その作品に対し、感謝も敬意も払えないとういこと。

そんな人間に、はたして作者は読んでもらいたいだろうか?

 

本離れだとか、本が売れないといわれて久しい。

しかしそこには、産み手の思いや願いをくみ取れない人間が大量生産されているという現実があるのではないだろうか。

単行本自体の売り上げは落ちていないんだ。

 

「買うに値する作品がないんだから、送り手が悪い」

 

そんな論理は成り立たない。

キミがそう思うだけで、そう感じない人はいくらでもいる。

作品に価値がないのではない。キミに、読む資格がないのだ。

そんなふうに思うのなら、読まなければいい。

 

みずからで稼いだお金で購入し、読みとおし、理解した上で、はじめて批判ができる。

そういう読者に支えられてこそ、作品も仕上がっていく。

つまり、いい作品をつくるも、作者の技量をあげるのも、読み手次第なんだ。

ただしい読み方をできる人が、減ってしまった。

その原因がなんであるかは、ここでは触れない。

 

しかし、考えてほしい。

 

この世で、無償に提供される商品なんてないんだ。

どんな製品にも、必ず携わる多くの人がいて、いろんな思いや願いや未来が込められてる。

我々は、便利さ快適さたのしさとともに、「それ」を買うんだ。

 

図太さは必要だが、図々しくなってはほしくない。

いまキミが目にしている、手にしているものの向こうには、必ず誰かがいる。

そんなことに、気付いてほしい。

 

 

 

 






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